どーでもいい話
その11 絶対的運量にまつわる考察


 一人の人間が持ち合わせる運の良さというのはほぼ同じ位なのではないか?
 そんなことをふと考えた。
 つまり、何かでついていなかったときは別の何かでついていると言うことである。
 この話をより分かりやすくするために、具体的な例を挙げてみたい。

 ケースその1 2002年1月7日
 その日、彼は馬券で徹底的に嫌な思いをしました。
 京都の9レースで、彼の本命馬は12番人気にもかかわらず2着に激走。しかも、1着馬は15番人気の馬。
 馬連配当は19万円あまりだったのです。
 しかし、勝負運のない彼は2着馬の単勝(最終オッズは57倍)しか持ち合わせていなかったのです。
 彼は言いました。
 「実は複勝(配当は16.8倍)や枠連総流し(配当は75倍くらい)を買おうかどうか迷ったけど金がないからやめた」
 なんて勝負弱いんでしょう。
 が、悲劇には続きがありました。
 その後の東京11レース。
 彼は単勝1.9倍の1番人気を本命に押していました。今度は馬連もある程度買っています。
 にもかかわらず、彼の本命馬はなんと8着と惨敗するのです。
 彼は叫びました。
 「なんじゃそりゃ!?」

 さて、それから1時間後。舞台は秋葉原に移ります。
 彼は今回ヲタの街秋葉原である獲物を狙っていました。
 それは「はじめてのおるすばん」でした。
 このソフト、発売日に新品が即売り切れるという大人気商品で、定価5800円に対し中古販売価格が9800円という店があるほどの代物です。
 彼は無謀にも「6000円以下なら買う」という誓いを立てたのです。
 一見実現不可能そうなこの野望。
 彼はさしたる苦労もなくあっさり達成したのです。しかも、4780円という理想以上の価格で。
 ちなみに彼は、これを買った店でフロアに入るや否や即座に発見。価格確認の前に即捕獲していました。
 これを強運と言わずして何というのでしょう?

 結局、この日の彼の馬券運は最悪とも言えましたが、捜し物を見つける運に関しては最高と言えたでしょう。

 ケースその2 2002年1月20日
 この日の彼は前回とは逆に馬券運がありました。
 たしかに、東京9レースで単勝1.7倍の大本命がこけるという嫌な思いをしましたが、メインレースでは事前予想した軸馬が見事2着に入り、さらに1着馬は相手に選んだ馬です。
 連敗が24でストップしたと彼は大喜びです。
 しかし悲しいかな、今回は探し物がなかなか見つからなかったのです。
 彼が探していたのはその前々日に発売された「かりあげクン35巻」。
 ふだんならちょっと大きめの書店ですぐに入手できるのに、今回は大きな書店を3件ほど回ってそれでも見つかりません。
 彼は疑心暗鬼になってきました。
 回収されたのか?大人気なのか?既に返本?むしろ発売日がまだ来てない?
 念のために調べてみたものの、やっぱり発売日は前々日です。
 そして4軒目。
 1階、地下1階、2階と探しても見つからず、もう一度1階を探したとき、その本はあったのです。
 手前に平積みされた本の陰に隠れるようにひっそりと。
 彼は思ったそうです。
 「馬券当たったらこの仕打ちかよ!?」

 今回は前回とは逆のパターンになったのですが、馬券当たったのだからぐたぐたぬかすな、と言う意見が妥当でしょう。

 以上が運量一定の法則の背景になった出来事なのであるが、「彼」が誰なのはまあどうでもいいってことで。

 結論:身長133cmで18歳以上って言われてもねえ…