一年間の長丁場を勝ち抜くのは?


第62期名人
名人戦の主催は毎日新聞社である。また、名人戦の考慮時間は9時間

第63期名人 森内俊之(通算3期)


順位の決め方など

 各棋士がA〜Cのクラスに分かれて、総当たりのリーグ戦を行う(B,C級には1組、2組などがある)。持ち時間は6時間。
 このリーグは1年かけて行い、クラスの昇格降格がある。A級リーグの優勝者が名人への挑戦権を獲得。七番勝負を行う。
 なお、トップの勝敗が2人以上いる場合はプレーオフにより挑戦者を決する(プレーオフについては下の注参照)。
 それ以外の順位は今年度の順位に基づき決定する。挑戦権を得られないとしても、一つでも順位を上げておけば来年度の順位戦(特に降級争い)が有利に展開できるため、消化試合は事実上存在しない。
 ちなみに、成績下位が同率で3人以上現れた場合の降級は、順位だけで決定するので順位が低いものは上のものよりも余計に勝ち星を積み重ねておく必要がある。
 名人戦では4勝した方が名人となる。
 ちなみに、このリーグに参加しない棋士のことを「フリークラス棋士」と呼ぶ。
 主なフリークラス棋士として中原誠永世十段がいる。

 ※ プレーオフのルール
 同率首位が2名の場合は1局行う。
 3名以上いる場合は成績下位のものがまず1局行い、次にその勝者が上位者とさらに1局行う事となる。
 たとえば、順位1,2,3位のものが同率になった場合、まず2位と3位が対局。
 その勝者が1位とさらに対局して勝者が名人への挑戦権を獲得する。

成績は以下に掲載(B2は調べるのが辛いので勘弁)

第64期A級順位戦

第63期A級順位戦

第62期A級順位戦

第61期A級順位戦

第61期B級1組順位戦

第60期名人戦

第60期A級順位戦

第60期B級1組順位戦

第59期名人戦

第59期A級順位戦

第59期B級1組順位戦

第59期B級2組順位戦


えとせとら

 通算在位5期以上で永世名人の資格を得る。これは、他の永世位と異なり「○○世名人」と呼ぶ(他は「永世○○」)。
 現役棋士での有資格者は中原誠(十六世名人:現B級1組)、谷川浩司(十七世名人:現A級)で、故人では十四世名人木村義雄と十五世名人大山康晴がいる。
 ちなみに、中原の永世名人のA級陥落は史上初のこと。
 なお、両者とも公式な場で○○世名人と言う肩書きを使っていない(中原は永世十段、谷川は九段)。
 史上最年少名人は第41期の谷川、最年長名人は第51期の米長。

 どうやら、永世位というのは引退した棋士に与えられる称号らしいので上記の両名は永世名人を名乗っていないらしい。
 大山康晴十五世名人は余りにも格が違いすぎるため、敬意を表して現役時にも十五世名人と言う称号を使っていたようだ。
 中原の永世十段は十段位が竜王位に名前を変えたため、今では獲得できない称号である。

 他のタイトルと永世位の獲得資格については以下の通り
 各棋士のフルネームは次の通りで、段位は大山以外の4人とも九段。
 大山=大山康晴(故人) 中原=中原誠 米長=米長邦雄 谷川=谷川浩司 羽生=羽生善治

 竜王(連続5期か通算7期、主催:読売新聞社)
 現竜王:渡辺明(通算1期)
 永世位:該当者なし(羽生が通算6期で最多)
 ※竜王戦の前身である十段戦の永世位、永世十段は通算10期条件で大山、中原が所有

 王将(通算10期、主催:スポーツニッポン新聞、毎日新聞社)
 現王将:森内俊之(通算1期)
 永世位:大山(通算20期)
 ※ 現役では羽生が通算7期で最多

 棋聖(通算5期、主催:産経新聞社)
 現棋聖:佐藤康光(2期連続、通算2期)

 永世位:大山(通算16期)、中原(通算9期)、米長、羽生(通算6期)

 棋王(連続5期、主催:共同通信社ほか)
 現棋王:谷川浩司(通算3期)
 永世位:羽生(連続12期、通算12期)

 王位(連続5期か通算10期、主催:新聞三社連合)
 現王位:羽生善治(通算10期)

 永世位:羽生(連続9期、通算10期)、中原(連続6期、通算8期)

 王座(連続5期か通算10期、主催:日本経済新聞社)
 現王座:羽生善治(12期連続、通算12期)

 永世位(正式名称は名誉王座):中原(通算16期)、羽生(連続12期、通算12期)


歴代実力制名人戦対戦成績
赤い文字の方が名人、黒は挑戦者

対局年

優勝者

成績

相手

1

1937

木村義雄

(2位 花田長太郎)

2

1939

木村義雄

4-1

土居市太郎

3

1941

木村義雄

4-0

神田辰之助

4

 

木村義雄

挑戦資格
獲得者なし

5

 

木村義雄

6

1947

塚田正夫

4-2

木村義雄

7

1948

塚田正夫

4-2

大山康晴

8

1949

木村義雄

3-2

塚田正夫

9

1950

木村義雄

4-2

大山康晴

10

1951

木村義雄

4-2

升田幸三

11

1952

大山康晴

4-1

木村義雄

12

1953

大山康晴

4-1

升田幸三

13

1954

大山康晴

4-1

升田幸三

14

1955

大山康晴

4-2

高島一岐代

15

1956

大山康晴

4-0

花村元司

16

1957

升田幸三

4-2

大山康晴

17

1958

升田幸三

4-2

大山康晴

18

1959

大山康晴

4-1

升田幸三

19

1960

大山康晴

4-1

加藤一二三

20

1961

大山康晴

4-1

丸田祐三

21

1962

大山康晴

4-0

二上達也

22

1963

大山康晴

4-1

升田幸三

23

1964

大山康晴

4-2

二上達也

24

1965

大山康晴

4-1

山田道美

25

1966

大山康晴

4-2

升田幸三

26

1967

大山康晴

4-1

二上達也

27

1968

大山康晴

4-0

升田幸三

28

1969

大山康晴

4-3

有吉道夫

29

1970

大山康晴

4-1

灘 蓮照

30

1971

大山康晴

4-3

升田幸三

31

1972

中原 誠

4-3

大山康晴

32

1973

中原 誠

4-0

加藤一二三

33

1974

中原 誠

4-3

大山康晴

34

1975

中原 誠

4-3

大内延介

35

1976

中原 誠

4-3

米長邦雄

対局年

優勝者

成績

相手

36

1978

中原 誠

4-2

森けい二

37

1979

中原 誠

4-2

米長邦雄

38

1980

中原 誠

4-1

米長邦雄

39

1981

中原 誠

4-1

桐山清澄

40

1982

加藤一二三

4-3

中原 誠

41

1983

谷川浩司

4-2

加藤一二三

42

1984

谷川浩司

4-1

森安秀光

43

1985

中原 誠

4-2

谷川浩司

44

1986

中原 誠

4-1

大山康晴

45

1987

中原 誠

4-2

米長邦雄

46

1988

谷川浩司

4-2

中原 誠

47

1989

谷川浩司

4-0

米長邦雄

48

1990

中原 誠

4-2

谷川浩司

49

1991

中原 誠

4-0

米長邦雄

50

1992

中原 誠

4-3

高橋道雄

51

1993

米長邦雄

4-0

中原 誠

52

1994

羽生善治

4-2

米長邦雄

53

1995

羽生善治

4-1

森下 卓

54

1996

羽生善治

4-1

森内俊之

55

1997

谷川浩司

4-2

羽生善治

56

1998

佐藤康光

4-3

谷川浩司

57

1999

佐藤康光

4-3

谷川浩司

58

2000

丸山忠久

4-3

佐藤康光

59

2001

丸山忠久

4-3

谷川浩司

60

2002

森内俊之

4-0

丸山忠久

61

2003

羽生善治

4-0

森内俊之

62

2004

森内俊之

4-2

羽生善治

63

2005

森内俊之

4-3

羽生善治